リュートギター(ラウテ/マンドーラ) 価格応談
ロゼッティ銘 1930年頃 試奏動画

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リュートギターはギターと同じ調弦をもつリュート型の楽器です。
主に19世紀から20世紀初頭に使われました。
現代ではリュートギターと呼ばれることの多いこの楽器ですが、
もともとはバロック時代にドイツ語圏で愛好されたマンドーラというリュート属の楽器でした。

テクラ作のマンドーラ

マンドーラは18世紀にリュートが使われなくなってからも生き残り、
19世紀にはドイツ風リュート(ラウテ)あるいはマンドーラの名前で愛好されました。

19世紀末の楽器カタログから

20世紀初頭にドイツで国民的音楽運動が盛んになると、
リュートギターは最も「ドイツ的」な楽器として脚光を浴びるようになります。
調弦がギターと同様で容易に和声が弾け、持ち運びも容易な楽器として、
野山で民謡を歌うワンダーフォーゲル運動にも良く用いられました。

また折からの古楽復興ブームにも乗り、リュートギターは「現代リュート」として
中世、ルネサンス、バロック音楽の演奏に大いに用いられました。

その立役者とも言えるのがドイツの音楽学者/ギタリストだったハンス・ダーコベルト・ブルーガーで、
彼はリュートギターの教則本/教本を出版しています。
リュートの歴史や奏法にも触れられている大著です。


またブルーガーは音楽史上初の「バッハ・リュート曲全集」を編集、出版しましたが、
これもリュートギターを念頭に置いています。

ブルーガーのバッハ:リュート曲集

リュートギターはハウザーやワイスガーバーによっても作られ、
それらの楽器は現在では珍重されています。
↓はハウザーの(修理)ラベルを持つ楽器と出展楽器


今回の楽器は1920〜30年頃にドイツ語圏で作られ、
イギリスのロゼッティ社によって取り扱われた楽器です。

リュートギターには粗悪な作りのものもあり、
また昨今では中近東製のダメ楽器も安価に出回っていますが、
この楽器は良い材料で良心的に作られてる本物のリュートギターです。
もともとはイギリスの古楽器研究家エフライム・セガーマン氏のコレクションにあったもので、
出展に当たってはロンドンの古楽工房で修復調整を行いました。

スプルースの表面板。ロゼッタは美しく彫られています。


素晴らしい木目のメープルのボディ

 

ヘッド


指板はスケロップされており、弾きやすい楽器です。
音色には重厚さとリュートらしさが同居しており、
100年間の経年変化も相まって貴重な楽器と言えるでしょう。
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