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わが愛器

私の生徒さんたちの楽器を紹介するコーナーです。


Kanakoさんの7コースリュート


ロンドンのKanakoさんの楽器は、イタリアはローマの製作家ロベルトの手になるヴェネーレ・コピー。
製作者ロベルト氏は大変穏和で暖かい人柄ですが、この楽器にも彼のパーソナリティが滲み出ています。
繊細ながらもふくよかな音で良く鳴るリュートですね。



Ayaさんの8コースリュート


カンタベリーの研究者Ayaさんの楽器はエドワード・フィッツガイボン作の8コース。
やや大きめの深いボディに小さめのローズ。裏はユウの15枚はぎ。
深い低音と透明な高音を併せ持つ名器!です。



Fujiwaraさんのハウザー・コピー



ロンドンの会社員、Fujiwaraさんの愛器は、デイヴィッド・ホワイトマン製作のクラシックギター。
1940年のハウザー一世製作のギターのデッドコピーです。
ものすごく上質の材料が使われています(柾目のハカランダ!)。
いわゆる「ハウザー・モデル」は世に多いのですが、
実は構造上の重要な特徴がごく最近発見されたばかり・・・
このデイヴィッドの楽器は、その最新研究成果を取り入れて製作されています。
コピーに当たってはオリジナルの1940年製の楽器を手元に置いて、
隅々まで研究していました。
まさに本来の意味の「コピー」として貴重な楽器と言えるでしょう。
弾いてみると、サイズや外観だけでなく、その音の出方もまさにハウザー!
2005年製作のまだ出来たてのギターですが、
これからが楽しみですね。



Eigi君のバロックギター

ロンドンの弁護士の卵、Eigi君のギターは、ハンガリー在住の製作家によるバロックギター。
いわばスチューデントモデルでフラットバック、
装飾などはシンプルですが、なかなかしっかりと作られています。
裏横材はチェリーですね。
価格も良心的で、バロックギターもこの辺の価格帯がもっと充実してくればよいのですがねー。
弦をガットとナイルガットに取り替えて、アクションを調整したら、
うんと弾きやすくなりました。


Akkoさんのファブリカトーレ派ギター



ロンドン在住のママ一年生Akkoさんの愛器は、無銘のイタリアン/ドイツのギター。
製作年代は1800年ころでしょうか。
メープル一枚板の裏板はなかなかです。
下の白黒写真の楽器はイタリア、ナポリの名工、ジョバンニ・バティスタ・ファブリカトーレの作品
(1785年)ですが、非常に良く似ていますねー!
弾きやすく、良い音色のギターです。
(Akkoさんの足台に注目!)



Cristinaさんの6コースリュート



ロンドンの下町、カンバーウェル(美大が有名、また漱石もロンドン留学時代、付近に住んでいた)から、
バスに乗ってレッスンにやってくるクリスチーナおばさんの楽器は、
イギリスのリュート製作家マーティン・シェッパードの手になる6コースリュート。
初期ルネサンスらしく装飾などはシンプルですが、
裏のアッシュ(とねりこ)はとても面白い木目を見せていますね。
製作者マーティンは、演奏家としても知られています。



Yurikoさんのクラシックギター


このコーナー初登場のクラシックギターですね。
ベテランのYurikoさんの楽器は、日本の製作家、野辺正二さんの手になるクラシックギター。
特注のやや小型のサイズです。
日本のギターらしく、かっちりと隙なく仕上げられています。
エルナンデス・イ・アグアドを彷彿とさせます。



Ochiaiさんのラコート派ギター



ロンドンのシティにお勤めの銀行マン、Ochiaiさんの楽器は、パリのルネ・ラコート工房の作品とAttributeされるギター。
製作は1830年代もしくは40年代でしょう。
ラベルは、ラコートにギター製作を委託していたイギリスの楽器商Purdy & Fendtのもので、
内部の力木配列などは後期のラコートそのものです。
スプルースの表面板に、輝かんばかりのバーズアイ・メープル(鳥目楓)の裏横板。
糸巻きは、象牙のつまみが付いたベーカーの高級品。
オリジナルのコッフィンケースも良い感じですね。
弾きやすく、音色や鳴りも申し分のない名器です。



テオドーロ君の8コースリュート


    
ギリシャ人リュート奏者テオドーロ君の楽器は、英国のリュート製作家マーティン・ヘイコックの8コースリュート。
流石に、今もっとも人気のある作家の作品なだけあって、弾きやすく、音色も良く、安心して使える楽器ですね。
英国のリュート製作のメインストリームを見る思いです。




Namikoさんの5コースバロックギター



日本でバロックギターを熱心に勉強しているNamikoさんの楽器は、
英国の古都ルイス在住のアレクサンダー・バトフ製作のバロックギター。
ご覧の様に非常に美しい楽器です。
現代のコピー楽器としては、これ以上は望めないでしょう・・・
セント・ペテルスブルグの博物館所蔵のイタリアンギターがモデルで、
胴体はローズウッドとメープルのストライプ。
バスケニスの静物画を彷彿とさせますね。(右端参照)
バトフ氏は、ロシアのモスクアとセント・ペテルスブルグの楽器博物館の修復者を長年務めた人ですが、
現在は英国在住で製作と修復に専念しています。
日本のリュート奏者、つのだたかしさんも彼のバロックギターをお使いですね。
何を隠そう、僕の楽器もほとんどが彼の調整/修復を受けています!


Yokoさんのアメリカン・ヴィンテージ・ギター



英国の企業にお勤めのYokoさんの楽器は、アメリカのヴィンテージギター。
1890年から1900年頃のスタイルですね。表面板の真珠母貝の装飾が綺麗です。
ラベルが剥がれているのは残念ですが、Washburn系列のギターでしょう。力木はもちろんXバー。
この楽器の裏横も見事なハカランダです。
良い材料が豊富にあり、クラフツマンシップのレベルが高かった良き時代の作品ですね。



Yuki君のパノルモ派ギター


ロンドンの美大生Yuki君のギターは、1840年頃の英国の楽器。
無銘ですが、当時、一世を風靡したパノルモファミリーの影響を強く受けていますね。
あくまでも黒々とした裏横板のハカランダは流石です。
象牙のヘッドをもつ糸巻きにはクラウン(王冠)が彫り込まれており、これは「王室御用達」のあかし!
一見、単なる無名の素浪人、実は公儀のお役目を仰せつかる腕利きの武士!ってとこでしょうか?



Masakiさんの7コースリュート



当教室の顔役! 
Masakiさんのリュートは、イギリス古楽器製作界の重鎮、ピーター・フォレスター氏の手になる名器!
ヴェニスのジョヴァンニ・ヒーバーのリュートの忠実なコピーです。
すべての点で思わず瞠目したくなりますが、殊にそのニスの美しさは特筆ものです!
Masakiさん、今度は超美人の奥様もご披露くださいね!




Mikaさんのラコート派フレンチギター


1830年代と思われるフランスのギター。
ラベルはトマシンですが、修理者のものかもしれません。
全てが非常に良い状態で、健康的に良く鳴ります。
裏はハカランダの一枚板。ブリッジの形が少しユニークですね。
ネックは黒檀巻きで、マシンヘッドはジェロームの象牙つまみ付き!
ボディ回りのパーフリングは鯨の髭。指板はスカロップでとても弾きやすいギターです。

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