フラジオレットの世界
バロックフラジオレット・レプリカ製作プロジェク

譲渡済
タガヤサン(鉄刀木)製
ハカランダやローズウッドと同じマメ科の銘木です。
少し紫がかった外観は美しく、音色はリーディです。





オリジナルのフラジオレット(上:総象牙)と竹内監修によるレプリカ(グレナディラとピンクアイボリー)

アントレ誌に掲載した「フラジオレットの愉悦」全文掲載


リコーダーを演奏する人なら「小鳥愛好家の楽しみ」(
The Bird Fancyer’s Delight)はご存じでしょう。
ロンドンで
1717年に出版されその後も版を重ねたこの曲集には、当時愛玩されていた鳥たちに「歌わせるための」楽曲が載せられています。
今日ではこれらの小曲は通常リコーダーで演奏されますが、この曲集は本来、当時愛好されていた木管楽器フラジオレットのために書かれています



フラジオレットは17-19世紀に流行、小型軽量で持ち運びが容易、演奏技巧は平易、音楽的には高度で表現はニュアンスにみます。
音色はまろやかで小鳥の囀りに似て田園的、大層魅力的な楽器です。



フラジオレットはその手軽さと表現力の大きさから、
様々の階層の人たちに愛奏されました。

イギリス王政復古の立役者の一人であり「ピープス卿の日記」で知られた
政治家サミュエル・ピープス(
1633ー1703)はその一人で、
表現力彼がこの楽器を楽しんでいる様子は日記にもたびたび登場します

パブで: 様々な歌を歌って楽しんだ。フラジオレットも演奏し、
次々と沢山の曲を歌って
9時までそこにいた。(1659116)

公園で: セント・ジェイムズ公園まで行き、フラジオレットを吹く。
陽光がとても気持ちの良い朝であった。
(165922)

仕事場で:午後は執務室で書き物、そしてフラジオレットを吹いて過ごした。
(166051)

バード・フラジオレットと呼ばれた小型の楽器の音色は鳥の声のようで、鳥に旋律を教えるためにも使われました。


オリジナルのフラジオレットはヨーロッパの博物館でも希少ですが、
2017年に竹内は美しいオリジナルの総象牙のフラジオレット(18世紀、フランス)を入手しました。


(総象牙フラジオレット、および同様の楽器が描かれた18世紀フランスの絵画)

その楽器の音色と表現力は想像していた以上に素晴らしいもので、木管楽器製作者と共同でレプリカの製作プロジェクトを始めました
グレナディラ、ピンクアイボリー、ツゲ、ローズウッド、そしてオリジナル通り象牙など各種の材質で製作しており、
興味のある方にお分けすることを考えています。

予価:材質により6万円~12万円(運指表、特製桐箱付き)
興味のある方はお問い合わせください。


(完成したレプリカフラジオレットたち)

戻る                               メイル