サルバドール・イバニエス(アイバネス/イバネス)作:クラシックギター
スペイン 1895年頃
価格23万円
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大変雰囲気のある、興味深いスパニッシュギターです。
この時代としては大型のコンサートサイズ。弦長は648ミリ。

製作はバレンシアのサルバドール・イバニエス。
イバニエスは19世紀後半から20世紀初めにかけて活動していた工房で、
様々な仕様とグレードのギターとバンドーリャを製作していました。
彼のギターはジュリアン・ブリームやエリック・クラプトンなどにも弾かれています。
↓はイバニエスのギターを弾くジュリアン・ブリーム。


↓エリック・クラプトンのイバニエス19世紀ギター


ロマニロスのギター製作家事典にも項目があります。


今回の楽器、ラベルからは1895年頃の作品であることがわかります。


19世紀末ー20世紀初めのスペインではギターの製作と演奏の黄金時代を迎えていました。
タレガ、リョベートなどが名曲を作編曲し、セゴビアが活躍、トーレス、マヌエル・ラミレス、エンリケ・ガルシアなど名工が輩出しました。

イバニエスはそのうちにあっても比較的廉価な楽器を製作していましたが、良い材料と確かなクラフツマンシップによるギターを残しています。
材質や構造、鳴り方などはマヌエル・ラミレスの楽器にたいそう近いものを感じます。

下の画像;左からマヌエル・ラミレス、イバニエス(出品楽器ではありません)、トーレス


今回のギターは、材質や装飾など豪奢でイバニエスの中でも高級モデル。
修理跡はそれなりにありますが、鳴り方、弾き心地など大変良い感じのギターです。

スプルースの表面板。大きな割れの修理などはありません。
幅広いパーフリングと真珠母貝によるロゼッタは、このギターが高級品として作られた事を示しています。
ブリッジもオリジナル、やはり真珠貝の装飾があります。
表面板周りのパーフリング、指板の脇には割れの跡や打刻によるへこみなどが見られますが、修理されています。


表面板の裏には3本の扇状力木。オリジナルの状態です。


素晴らしいハカランダの裏横板。現在では望むべくもない材料です。
裏板は修理の過程で、取り外され貼りなおされた跡があります。


セダーのネックとヘッド。ネックもまっすぐ、弦高はやや低め、大変弾きやすい楽器です。


ヘッドには装飾的なラインがあります。糸巻きの調子は良好です。


軽く弾いても振るいつきたくなるような響きで鳴り、しみじみとスパニッシュギターの良さを感じさせてくれます。
このギターでタレガやリョベート、ヴィラロボスなどを弾くのは人生の喜びです。
現代のギターが喪ってしまった、語るように音を出せる楽器で、いつまででも弾いていたくなりますね。
愛好家は勿論専門家にもお勧め出来ます。



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