スペイン黄金時代のクラシックギター
マヌエル・ラミレス、マドリッド、1920年
サルバドール・イバニエス(アイバネス/イバネス)、バレンシア、1895年頃
J. M. リョベート、バレンシア、1890年頃
ホセ・ラミレス二世、マドリッド、1955年
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スペイン黄金時代の希少なクラシックギターたちです。
ギターが現代の形に近くなったのは、19世紀の末、スペインのトーレスの功績が大きいとされています。
そのころのスペインのギターは、現代の目から見て必ずしも丁寧に作られているわけではありませんが、
その弾き心地や鳴り方はまさに絶品、現代のわれわれにもリアリティを持って迫ってきます。
マヌエル・ラミレス、1920年
価格未定(応談)
名工中の名工マヌエル・ラミレスのギター。
セゴヴィアが愛奏したマヌエル・ラミレスの楽器は、実際はサントス・エルナンデスの作品であったことは良く知られています。
1916年のマヌエルの死後も工房は続き、サントスなどが製作を担当していました。
この楽器も実際の製作は不明ですが、ヘッドのデザインなどサントス・エルナンデスの面影が伺えます。
上質のスプルースの表面板。大きな割れの修理などは見当たりません。
非常に上質の柾目のハカランダの裏横板。
セドルのネック。非常に丁寧な修理跡があります。
軽く弾いても振るいつきたくなるように鳴ります。スパニッシュギターの真骨頂ここにあり!と言えるでしょう。
工房作であることから、価格は割安になる予定です。
サルバドール・イバニエス(アイバネス/イバネス)、バレンシア、1895年頃
価格23万円
イバニエスは19世紀後半から20世紀初めにかけて活動していた工房で、
様々な仕様とグレードのギターとバンドーリャを製作していました。
彼のギターはジュリアン・ブリームやエリック・クラプトンなどにも弾かれています。
↓はイバニエスのギターを弾くジュリアン・ブリーム。
↓エリック・クラプトンのイバニエス19世紀ギター
ロマニロスのギター製作家事典にも項目があります。
目の細かい絹のような表面板。上のマヌエル・ラミレスとも似ていますね。
現代ではありえないような上質のハカランダの裏横板。見ているだけでもうっとりします。
この時代としては大型のコンサートサイズ。弦長は648ミリ。
今回のギターは、材質や装飾など豪奢でイバニエスの中でも高級モデル。
修理跡はそれなりにありますが、鳴り方、弾き心地など大変良い感じのギターです。
表面板の裏には3本の扇状力木。オリジナルの状態です。
セダーのネックとヘッド。ネックもまっすぐ、弦高はやや低め、大変弾きやすい楽器です。
ヘッドには装飾的なラインがあります。糸巻きの調子は良好です。
しみじみとスパニッシュギターの良さを感じさせてくれます。
このギターでタレガやリョベート、ヴィラロボスなどを弾くのは人生の喜びです。
現代のギターが喪ってしまった、語るように音を出せる楽器で、いつまででも弾いていたくなりますね。
愛好家は勿論専門家にもお勧め出来ます。
J. M. リョベート、バレンシア、1890年頃
価格30万円
タレガの弟子ミゲル・リョベートと同じ名のラベルが貼られていますが、製作について詳しいことは分かっていません。
「リョベートモデル」あるいは「リョベートの監修を受けた楽器」なのかもしれません。
いずれにしても非常に丁寧に作られた美しいギターです。
スプルースの表面板。
非常に精緻な真珠母貝の装飾が施されています。
ヘッドにも同じ装飾。マシンのヘッドは真珠母貝です。
上質のサイプレスの裏横板。
クジラ髭のエッジングがあります。
セドロのネック。
弦長61センチ。おそらくは体格の小さな方の特別オーダーだったのでしょう。
小さなボディにも関わらず深い音で鳴ってくれる楽器です。
ラミレス二世、マドリッド、1955年
価格43万円
名工ラミレス二世の手になるギター。弦長57.5センチの小型の楽器です。
いわゆるテルツギターのサイズですが、子供用の楽器だったのかもしれません。
いずれにしても、このサイズのスパニッシュギターは非常に希少です。
冬目の強いスプルースの表面板。
サイプレスの裏横板。
簡素な楽器ではありますが、さすがに名工ラミレスの楽器、弾き心地も鳴りも大層良いものです。
モダンのテルツを探している方、小型の名器を探している方にお勧めしたい楽器です。
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