トビー・チャップマン作:中世ギターン(5コース)
ロンドン、1990年
22万円(ケース付き)


希少な中世のギターン、しかも素晴らしい材料と上質のクラフツマンシップによって製作された楽器です。
製作者チャップマンはロンドン・カレッジ・オブ・ファーニチャーで名工マルコム・プライヤーに学んでいます。

ギターンはリュートと並んで中世ヨーロッパで愛好された弦楽器。
現存する楽器は非常に少なく、現在のところ2台が確認されているだけです。
ハンス・オットー作1450年の楽器は状態も比較的良く、今回の楽器もこのコピーです。

現状ではヴァイオリン式にブリッジの上に弦が張られていますが、もともとはリュートの様にブリッジに結ばれていたはずです。

ギターンは13〜15世紀に広く用いられました。
通常は羽軸のプレクトラム(ピック)で弾かれ旋律楽器としても和声楽器としても、またドローン楽器としても非常に有効です。




ギターンと同時代に用いられたリュートとの相違は、リュートが大型で胴体が貼り合わせで作られていることに対して、
ギターンは小型、胴体は彫り抜きで作られました。ヴィオラとヴァイオリンの差のようなものと考えても良いでしょう。



ネットではギターンの良い演奏音源を見つけることが出来ませんでしたので、
中世リュートのものを幾つか貼っておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=Hn-mln9Sr40&list=PLsj8vTdLj2FDpDH34IhsqV8sYEhNw9VIO
https://www.youtube.com/watch?v=ZYzMFbtNwNM&index=10&list=PLsj8vTdLj2FDpDH34IhsqV8sYEhNw9VIO
https://www.youtube.com/watch?v=PloCJrdJjXY&list=PLsj8vTdLj2FDpDH34IhsqV8sYEhNw9VIO&index=22
こうして聴いてみると、中世リュートの演奏レベルは非常に高くなってますね。
割と最近までドローンの多いエスニック的に料理された(似而非的)中世リュートの演奏も多かったのですが、
隔世の感がありますね。

ターンには3コースから5コースまでの各種があったと思われますが今回の楽器は最も弦の多い5コースで、応用範囲も広いものです。弦長42.5センチ
良い材料と丁寧な工作、装飾も美しいです

スプルースの表面板。木とパーチメントのロゼッタがあります。



シカモアの一木彫りの裏とネック。非常に美しい仕上がりです。



ヘッドにはスクリューがあります。ペグはココボロでしょうか。


調弦は各種考えられますが、ドローン主体にするなら上からラレラレラ、ルネサンスリュートを弾いている人にはソレラファドなどが使い易いでしょう。
また5コースではなく、4コースとして上からソレラレなども良く使われます。

プレクトラムで弾くと、はじけるように良く鳴る楽器です。指で弾いても甘い音で良く鳴ります。

木製のハードケースが付属します


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