チャペル:オリジナル19世紀ギター(ロンドン、1820/30年頃)
(日本ではしばしば「シャペル」と綴られていますが、正しくは「チャペル」です)
価格46万円


チャペル社は1810年にピアノ製作者であったサミュエル・チャペルにより設立された楽器製作販売会社です。
ピアノの製作と販売のみならず、管弦楽器、楽譜の販売、コンサートのマネージメントなどで大きな活躍をしました。
現在でもロンドンの繁華街オクスフォード通り近くに店舗があります。



チャペル社は王室御用達の音楽商でした。今回のギターのラベルにもTo his Majesty(王室御用達)の記述があります。
ラベルからは1820年ー1836年に作られた楽器と思われます。


良い材料を使い丁寧に作られたチャペルの楽器は一級品で、今回のギターにもそれは言えます。

この楽器の大きな特徴として、ほんの少しですが小型であることが挙げられます。
この時代のギターの標準弦長は62−64センチ、3度高く調弦されるテルツギターは56センチですが、今回のギターは60センチ。
チャペルのギター中でも、非常に良い材料を使い美しく作られていることと併せて、
富裕なカスタマーのための特注品であったのだろうと思われます。
下の画像 左:出展楽器、 右:フルサイズ(テレス作)


このサイズのイギリスの楽器は非常に珍しく、私もこれまでに見たことがありません。
手の小さな奏者のため、もしくは1830年頃までイギリスで流行していたハープギターの調弦が目されていたのかもしれません。

下はボルトンのハープギターとアポロリラの教本における記述
「小型のスパニッシュギターは(ハープギターと)同じ調弦で弾くことができる」




質の高いスプルースの表面板。大きな修理跡などは見当たりません。


精緻な真珠貝の装飾が施されています。 


非常に美しいハカランダの裏横板。裏板は一枚板です。



ネックとヒールは黒檀巻き。 


ネックには真珠母貝のポジションマークがあります。


糸巻きは同時代のものに交換されています。使い勝手は良好です。


修理調整はイギリス人ギター製作家スティーヴン・ヒルによって非常に良心的に行われています。

愛好家は勿論、プロ奏者にもお勧めできるギターです。
特にショートスケールの楽器をお探しの方に使っていただければと思います。


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