ゲィリー・サウスウェル作:11弦ギター
英国 1997年製作 価格58万円
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知らない人はいないでしょう。
各種の19世紀ギターや、トーレスのコピー(福田進一氏が使用)、
最近ではハウザーのコピー(ジュリアン・ブリームが使用)で知られる、
あのゲィリー・サウスウェルの手になるギターです。
今回の楽器は非常に珍しい11弦ギターです。
11弦ギターは19世紀から存在しトーレスやアリエスの作品なども残されています。
20世紀にはスウェーデンのボーリンの考案した11弦アルトギターがセルシェルなどに用いられて一世を風靡しましたね。
今回の11弦ギターはバッハを初めとするリュート音楽、またピアノの作品などをギターで演奏するために考案された楽器です。
流石にサウスウェルによる作品で、隅々まで考え抜かれ、また丁寧に製作された上質のギターです。
現状の調弦は通常のギター調弦ミラレソシミに音階的に下がる低音が5本、最低音はGです。
ギターを弾かれる方ならその日からすぐに演奏を楽しむことが出来ます。
弦長は63センチ、弦はロウテンションのナイロン弦が張られていますが、
弦を替えることによりルネサンスリュートの調弦、バロックリュートのニ短調調弦、どちらも可能で、
前オーナーは11コースのバロックリュート調弦でタブラチュアのオリジナル通り弾いていたそうです。
最上質のスプルースの表面板。
弦長630ミリ。ボディ長435ミリ、ボディ最大幅300ミリ。
ボディの形はパノルモ系の19世紀ギターをヒントにしています。
最上質のバーズアイメープルの横裏板。光り輝くように美しい材質です。
指板はエボニー。ネックとヘッドはマホガニー。
ヘッドにはエボニーの突き板。
ペグはバンジョーなどにも使われるフリクションペグです。アルミ/黒檀の軽量モデルで使い勝手は良好です。
ゲィリーによれば「軽量で使い易いマシンを選んだが、木ペグに替えることもできるし、オーナーがいろいろやってみて欲しい」そうです。
このギターにはバッテリー式のピックアップがブリッジにインストールされていて、ストラップボタンがジャック差し込みを兼ねています。
イギリスのプロギタリストの所有となっていた楽器ですが、
大切に使われていたのでしょう、状態は大変良くものです。
傷らしい傷や割れの跡などはありません。
流石にゲリー・サウスウェルの作品らしく、
芸術品としても道具としてもプロの使える楽器に仕上がっています。
クラシックギター奏者のみならず、19世紀ギターなど古楽器の演奏者にも扱いやすい楽器だといえるでしょう。
サウスウェルはここ数年、ハウザーのコピーおよびオリジナルギターの製作に集中しており、
古楽器のコピーや今回のようなコンセプトモデルはほとんど作っていません。
今回のような楽器が売りに出ることは、非常にUnlikelyと言えるでしょう。
現在、彼に楽器を注文した場合の待ち時間は三年以上、価格も非常に高額になってきています。
(彼のギターは、日本のギター屋さんでは二百万円以上の値がついているそうです)
キングハムのカスタム・ハードケースが付属しています。
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