8コース・ルネサンス・リュート(モダン仕様)
ギュンター・ペンツェル作 1992年 マルクノイキルヘン

予価22万円(応談)
(ケース、教本付き)
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8コースのルネサンスリュート。

この楽器はルネサンス中期からバロック初期まで使われました。
その応用範囲は広く、16世紀初期のフランチェスコ・ダ・ミラーノの作品、フロットラの伴奏から、
17世紀初めのダウランドやピッチニーニのソロ、アンサンブルまで使えます。
絵画にも多く描かれています。画像はカラヴァッジョ。



今回の楽器はいわゆるモダンリュート、
60年代から70年代にかけて、主にギター奏者ジュリアン・ブリームの
ために開発された楽器で、構造は歴史的リュートと同様ですが、
クラシックギターと同様にブリッジにはサドルがあり、指板もすこし高くなっています。
表面板も少し厚めになっており、長めの爪での弾弦でも快適に演奏出来、
また音色もつぶれる事なく、リュートに非常に近い鳴り方を楽しめます。

私自身、古楽器を弾き始めて数十年(!)になり、
これまでにクラシックギター奏者で古楽器(リュート、ビウエラ、バロックギターなど)
を弾く方を多く見ましたが、それなりに両立出来ている人には会ったことがありません。
一見,両立させているように見えても、実際は多くの誤魔化しが
行われていました。

これは爪や奏法といった表層的な事柄だけではなく、
古楽の捉え方や奏者の音楽への誠実さにも関わる問題なのですが、
結論的には「古楽を本気でやるつもりがないのであれば、
いたずらに古楽器を弾く(振りをする)よりも、
当初からギタリスト向けに作られたモダン楽器を使う方が良い」
です。

また「モダンリュート」は単なる新考案楽器ではなく、
ジュリアン・ブリームやコンラート・ラゴスニックなど
名ギタリストが名演を残しており、そのキャパシティの広さ、
音楽的アビリティの高さは証明済みです。

下:モダンリュートを弾くラゴスニックとブリーム
 

前述した「多くの誤魔化し」には:
巻き弦/ナイロン弦の使用、肉厚の楽器の特注、単弦の使用、
ハイテンション弦の採用、非歴史的あるいは折衷的な奏法
などが含まれますが、そんなことをするくらいだったら、
いっそ古楽器は弾かないか、モダンリュートなどで堂々と音楽する方が健全というものです。

例えばプロ奏者の場合、1日3,4時間の練習は最低必要と言われますが、
奏法と音楽の捉え方の全く異なる古楽器も弾くともなると、
倍(以上)の時間が必要ですし、楽曲分析や理論の学習を含めると、
とても同一の人間が対応できるわけはないのです。

ジュリアン・ブリームが、「歴史的リュート」が台頭してからも、
頑固にモダンリュートを使い続けたのは、彼が良心的な音楽家だったからです。
(念のために書いておくと、彼はそこらの古楽リュート奏者よりも、
よく勉強していて、例えば英ルネサンスのリュート手稿譜に関する知識など非常に豊かでした。
でも彼は決して自分を「(本物の)古楽奏者」とは呼びませんでした。
また、晩年はより歴史的に見えるリュートを使用していますが、その評価はまたいずれ)

さて、今回のモダンリュート、
最上級の材料が使われ、工作も非常に丁寧です。
大きな割れなどもなく、よく調整されており、弦高などコンデションは最上です。
また作られてから約35年経った、深い響きも魅力です。
現在入手できるモダンリュートとして
最上の1本であることは間違いありません。

製作はドイツを代表するメーカー、ギュンター・ペンツェル作。
モダン楽器の製作者としての評価は高く、
最盛期の楽器の入手は至難です。

弦長62センチのテナー。
現状ではA=415の①G調弦ですが、半音程度の上下は可能でしょう。

最高級のスプルースの表面板
メープルの裏板
ローズウッドのペグ
ナイルガットと銅巻き弦
ナイロンフレット
日本での試奏が可能です。ハードケース付属。








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