ルッツ作オリジナル19世紀ギター(レニャーニモデル)、ウィーン、19世紀中庸
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作りと状態の良いレニャーニモデルのギターです。

レニャーニモデルはウィーンの製作家ゲオルグ・シュタウファーがギタリストのレニャーニと共同開発した仕様のギターで、
独特の力木の配列、ボディの形、表面板の上に浮いている指板などがその特徴です。 

上:レニャーニモデルのギターたち
左から:アントン・シュタウファー、出展楽器、ハウザー一世

製作はシュタウファーと同じく19世紀にウィーンで活躍したルッツ工房。


ルッツ工房の創始者アントン・ルッツはアントン・シュタウファーとほぼ同じ世代で、
ギターの他ヴァイオリン族の楽器を製作し、ロンドン、グラーツ、チンツなどの展覧会で入賞しています。
ルッツの楽器は華美ではありませんが堅実に製作されており、現在でも高価に取引されています。
例えば以下のページではテルツギターに70万円ほどの価格がつけられています。
参考ページ:http://www.ianwatchorn.com.au/TerzGuitarLutzVienna.htm

今回の楽器は長らくイギリスのコレクターの所有になっていたものですが、
委託を受けるにあたり、全体のオーバーホール、リタッチ、弦高の調整などを施し、
古楽器用のガットとナイルガットに張り替えました。

冬目の強い上質のスプルースの表面板。表面板にはヘリングボーンのインレイがあります。
幾つかクラックがありますが、綺麗に修理されています。


フルーツウッドの指板。弦長はレニャーニモデルの標準である61センチ。


指板は表面板から浮いています。表面板の振動を止めない、ハイポジションの押弦を容易にする、などの利点があります。


裏板はメープルの一枚板。サイドもメープルです。


黒染めのネックとヘッド。

ボディには割れの修理跡なども見当たらず良い状態です。

おおらかに良く鳴る楽器です。歯切れ良く、タッチに敏感です。
音の一つ一つに歌心があるのは、やはり良質のオリジナル楽器ならではです。
ジャーマン/オーストリアンの19世紀ギターの特徴を良く兼ね備えていますが、
時代が多少下がることもあり、現代のギターを専門とする奏者にもよく適応すると思われます。
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