イングリッシュギターの世界:
歴史、楽器、レパートリー、奏法

イングリッシュギターは18世紀後半に英国で大流行しました。
この頃、英国でギターと言えばこのタイプの楽器を指しました。

私自身、この楽器には魅了されCDも2枚録音しています。
参考:竹内の演奏ヴィデオ
https://www.youtube.com/watch?v=N4HxtTR49Js

楽器を入手したい方

以下は私のレクチャーを抜粋、再構成したものです。
皆様のお役に立てば幸いです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


起源
イングリッシュギターはシターンの仲間。
1750年頃にドイツ系イギリス人ヒンツによりロンドンで発明。


初期の楽器3本。


楽器
金属弦6/7コース、弦長は42〜52センチ。
胴体の形にはヴァラエティがある。


最もよく見る仕様


日本の博物館にもある。


調弦
長調のオープンコード。


名称
18世紀には様々に呼ばれたが、
現在では'English guittar'が一般的。


レパートリー
レパートリーは非常に広い。
流行の旋律や舞曲、歌曲の他、
バッハの弟子シュトラウベのソナタやファンタジア、
ジェミニアーニの組曲、バッハの息子クリスチャンのソナタなど。
アンサンブルの形態も様々。



etc.

教則本
1750年台から多くの教本が出版されている。
最後の教本出版は1805年。


楽器の構え方


右手


左手


イングリッシュギターの終焉
18世紀末から徐々に流行から外れる。


ハープリュートはイングリッシュギターの子孫。


イングリッシュギターポルトガルギターの先祖。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Appendixその1: 弦について 
以下のような弦が一般的だった。
1:ソフトアイロン 0.23ミリ
2:同上、0.27ミリ                        
3:ブラス、0.36ミリ
第4〜6弦:銀メッキの銅線を巻いた巻き弦




18世紀仕様のアイロンとブラスは指にやさしく、音色も柔らかい。
当時のイギリスのピッチはA=410〜435あたり。

Appendixその2:参考文献

Panagiotis Poulopolos, The Guitar in the British Isle
イングリッシュギターに関する博士論文。
https://www.era.lib.ed.ac.uk/handle/1842/5776 

Peter Holman, Life after Death
ガンバの研究書。イングリッシュギターについても詳しい。

Phillip Coggin, 'This Easy and Agreable Instrument'
オクスフォード大学出版のジャーナルに載った学術論文。

Taro Takeuchi, 'Rediscoering the Regency lute'
私の論文。
「ガット弦のイングリッシュギター」リージェンシーリュートについて
https://academic.oup.com/em/article/46/1/17/4947209


楽器の入手に興味ある方

 
戻る                            メイル