ジョン・プレストン作 6コース・イングリッシュ・ギター(シターン)
ロンドン 1775年頃 (教則本、CD付き) 
価格50万円
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イングリッシュギターは18世紀後半に英国を中心に大流行しました。
この頃には英国ではリュートとバロックギター(スパニッシュギター)はあまり盛んではなく、
ギターと言えばこのタイプの楽器を指していました。

18世紀後半の数十年間にのみ用いられた楽器ですが、レパートリーは非常に広く、
容易な単旋律による民謡や舞曲から、高度なソナタ、ファンタジー、アンサンブル曲など、大変多岐にわたります。
また、F.ジェミニアーニ、J.C.バッハ、R.シュトラウベなど大作曲家による作品も多く残され、
当時、大流行した「乞食オペラ」などもこの楽器のために編曲され出版されています。

18世紀後半はリュート/ギターのレパートリーにはややさびしいものがありますが、
このイングリッシュギターはそのリンクを豊かな音とレパートリーで埋めてくれます。

私自身、この楽器には非常に魅了され学生時代から研究を続けており、
英国リュート協会での発表/レクチャーコンサート、BBCへのレコーディング、
自分のリサイタルにての演奏などを行ない、CDも2枚録音しています。
 
竹内の演奏ヴィデオ
https://www.youtube.com/watch?v=N4HxtTR49Js

今回の楽器には刻印はありませんが、イングリッシュギターの大御所、ジョン・プレストンの作品と思われます。
イングリッシュギターの中でも、Prestonは最上の製作家として扱われ、博物館が所蔵する楽器も多いのです。
希有なまでにコンデションの良い楽器です。

スプルースの表面板、美しい虎杢の裏横板、象牙と木材によるローズ。象牙のボタンにフィッチング。
 

調弦方式は、当時のパテントであるウォッチキイシステム。
懐中時計のキイで螺子を回して調弦する優れた方式で、短い弦長の金属弦でも大変楽に調弦できます。
この部分も磨耗もなく、完璧に作動します。


興味深いのはヘッドに交換の跡があることで、これはもともとペグ式であったのが機械式糸巻きに換装されたのでしょう。


イングリッシュギターは19世紀以降はほとんど使用されておらず、残されている楽器の大多数にはそれなりに痛みがあります。
しかしこのギターは完璧と言えるほどコンデションの良い楽器で、当方では弦の交換とブリッジのフィッティングを行ったにとどまっており、
すぐに演奏できます。
もともとイギリスとアメリカの著名な楽器コレクションに属していた楽器で、こなれた暖かい音色でよく鳴ります。

イングリッシュギターは、18世紀後半にいわば市民階級の台頭と同時に流行した楽器だけあって、演奏技巧は平易です。
ハ長調の和音(下からドミソドミソ)に調弦され、多くの楽曲はハ長調、楽譜は基本的に五線表記です。

私の教則本「イングリッシュギターへの誘い」と参考CDが付属します。




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